ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスは、DRGとしての強力な機能を持ちつつ、スーパーやコンビニなどでよく置いてある日用品・生活用品なども豊富に取り扱っています。また、PBブランドへの積極的な参入で、毎年110%成長程度といった、ポジティブな成長曲線を描いています。一方、彼らがどういったお客様に選ばれているのか。客単価や来店頻度などの購買データは未知数です。そこで今回は、ウエルシア含めたドラッグストア市場がどういった顧客に支持され、どういった購買データが潜んでいるのか、累計10億枚以上のレシートデータを保有する ONE が状況を探ります。売上高1兆円を誇る、ウエルシアホールディングスHD出所 : 【最新!2023年版】ドラッグストア 売上高ランキングhttps://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/286実は、本社が北海道にあるツルハホールディングの方が、全国店舗展開に偏りがありません。売上高トップのウエルシアHD(東京都千代田区)は、全国各地に調剤薬局を併設した展開を行なっているとしつつも、実は関東に店舗の偏りがあるなど、地域展開の違いは見られます。売上高3位のマツキヨココカラ&カンパニーですが、2021年10月1日付で、 マツモトキヨシホールディングスを株式交換完全親会社とし、ココカラファインを 株式交換完全子会社として株式交換しています。2023年は成長率が脅威の131.6%と、他のドラッグストア企業を圧倒する状況となっています。3位までの売上構成比!食品に強いウエルシア・ツルハドラッグ各社のIR資料から売上構成比を出してみました。ウエルシア(薬局のみ)は食品に強いのに対し、ツルハドラッグ(連結)は日用品・食品ともに強いことがわかります。一方マツキヨココカラ(連携)は食品に弱く、構成比上は化粧品・医薬品が売れているといった状況です。ドラッグストア上位だけでもこの構成比の違いがあります。特にウエルシア・ツルハドラッグに足を運ぶ消費者は「ドラッグストアに買い物に行く」といった意識ではなく、スーパーと同じ業態を想像している可能性が高そうです。クスリのアオキが利用頻度トップか。マツモトキヨシと4ポイント以上差が開くドラッグストアは、ウエルシアを除き女性利用率が高い傾向が見えました。中でもサンドラッグ・マツモトキヨシは女性の利用が6割に近い値となっています。利用頻度はチェーンごとに大きく違いが出てきました。クスリのアオキは4ヶ月7.5回前後の利用と、他ドラッグストアに比較して利用頻度が高い傾向にあります。食品含めたスーパー同様の展開力があるツルハ・ウエルシアを抜いて、利用頻度が高い結果となりました。地域によって展開率が違うドラッグストア。中でも北海道はツルハドラッグ1強。九州はマツキヨかドラッグストア利用者が一番多いとされる関東エリアでは、スーパーと同様の形態を持つウエルシアと、医薬品・化粧品類で強く支持されるマツモトキヨシが利用シェア率を争っています。北海道で強くシェア率を誇っているツルハドラッグも、九州圏ではマツモトキヨシに大きく抜かれています。地域ごとに大きく利用シェアが異なる結果となりました。毎月20日、ウエルシアお客様感謝デー(通称ウエル活)の浸透による平均単価の向上ウエルシアが毎月行っているお客様感謝デーは、分かりやすく平均購買単価を引き上げています。通常の1.5倍分ポイントを活用できるといったキャンペーンで、ポイントを有効活用する消費者によって注目されています。同じ期間(2023/9~2023/12)のツルハドラッグ・マツモトキヨシの平均単価を調査しましたが、特定の日時におけるトラフィックは特に見られませんでした。毎月20日のウエルシアが開催するキャンペーンは、消費者に「お客様感謝デー(通称ウエル活)」を強く浸透できていることを意味します。ウエルシア・ツルハドラッグは平均購入品目数で、マツモトキヨシと1ポイント以上の差をつける食品・日用品で約50%前後の売り上げ構成比を占めているウエルシア・ツルハドラッグは、食品・日用品に強くないマツモトキヨシと平均購入品目数で1ポイント以上の差をつけています。マツモトキヨシはヘルス・ビューティーカテゴリで売り上げ構成比75%を目指すと名言。他社との戦略性の違いマツキヨココカラ&カンパニー 統合報告書2023https://www.matsukiyococokara.com/sustainability/integratedreport/pdf/MC&Cintegratedreport2023.pdf上記はマツキヨココカラカンパニーの経営統合書2023です。同社の「マツモトキヨシ」における機能性は、あくまでヘルス&ビューティーカテゴリでのイメージを醸成するようです。その他、品質を重視したPBブランドの開発や、アジア経済圏への進出など、マネタイズモデルが他ドラッグストア(ウエルシア・ツルハドラッグなど)と異なる点が特徴といえます。ウエルシア含めたドラッグストアでの競合調査・リピート・配荷戦略を考えるならONE弊社では、レシートアプリ ONE で集めた10億枚以上のレシート購買データを元に、ブランド・リテールのマーケティング支援を行っています。小売別に購買データをトラッキング。値動きや利用者情報を探れます。自社商品以外に、誰がどこでどういった商品を購入したか、ブランドスイッチしたかがわかります。消費者を継続してトラッキング可能。継続して購入しているか、買わなくなってしまった理由まで調査できます。企業のマーケティング・販売促進支援を一気通貫してサービス提供しています。ぜひご興味ございましたら、お気軽に資料請求いただければと思います。