ブランドスイッチとは?ブランドスイッチとは、あるブランドを好意にしていた顧客が、別のブランドに意向がシフトする現象を指します。例えば、アサヒビールの愛飲者がキリンビールを最も好むようになったり、Android ユーザーが iPhone に乗り換えたりなど、ブランドスイッチは身近に発生しています。なぜブランドスイッチが起こる?そもそも、なぜブランドスイッチが起こるのでしょうか。一般的に考えられている、ブランドスイッチの一連の流れと要因を紹介します。1.顧客ニーズの変化まずは、顧客ニーズの変化が起こります。要因としては、市場トレンドや顧客のライフスタイルの変化などが挙げられます。例:コロナ禍で消費者の健康意識が高まり、ヘルスケア商品やサービスの需要が拡大した2.競合他社の存在次に、ブランドスイッチ先である競合他社の台頭です。既存顧客が他社の新商品や新サービスに魅力を感じた場合、ブランドスイッチに繋がる可能性があります。例:競合A社が、自社よりも高解像度カメラを搭載したスマートフォンを新発売した3.ブランドへの不満ブランドスイッチを助長する要因として、現在購入しているブランドへの不満や不足感が挙げられます。価格や品質などの面で顧客から信頼を失うと、顧客が離れる要因になってしまいます。例:価格の大幅値上げ、問い合わせ対応が遅い、商品の梱包が雑など4.マーケティングの影響競合他社が、顧客の感情を動かす効果的なマーケティングを行ったことで、顧客の意識が競合他社のブランドに引き寄せられて、ブランドスイッチを引き起こす可能性もあります。例:競合B社が、ブランド誕生までのストーリーを感動的に描いたプロモーション動画を制作し、テレビやSNSなどで大々的に宣伝したどうすれば顧客に選んでもらえる?ブランドスイッチの流れを理解したうえで、これらの影響をなるべく受けず顧客に自社ブランドを選んでもらうには、どのような工夫が必要なのでしょうか。押さえておくべきポイントを、3つ挙げてみました。1.自社ブランドの市場立ち位置に応じた顧客獲得、育成戦略を練る自社ブランドを選ぶ顧客を増やすためには、新規顧客の獲得戦略を練る必要がありますが、それにはダブルジョパディの法則が有効的です。ダブルジョパディの法則とは、市場浸透率の高いブランドは購入頻度も高くなる(その逆も然り)といった、購入頻度×購入単価の相関関係を示したマーケティングにおける法則のことを指します。さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。自社ブランドの市場での立ち位置を理解することができれば、より効果的な顧客獲得や育成戦略を立てられるようになるでしょう。2.ブランドの想起率、エボークトセット(想起集合)の向上および改善どれだけ新規顧客の獲得やロイヤル顧客の増加に力を入れたとしても、顧客から忘れ去られてしまえば意味がありません。自社ブランドを選び続けてもらうためには、顧客が自社ブランドを自然と想起している状態を作り出すことが重要です。例えば、「受験生のお供と言えば、キットカット」のような認知形成ができれば、競合他社にはない唯一無二の存在を確立でき、消費者に選ばれ続けるブランドになり得るでしょう。3.離反・リピート顧客の理解と要因の特定顧客に好かれるためのマーケティング戦略を考える上で、リピート顧客や離反顧客の意識や行動を理解することも重要です。マーケティング業界では、競合ブランドとの「差別化」がキーワードとして頻出します。しかし実は、顧客が着目しているのは差別化ポイントよりも、その商品やサービスが自分のライフスタイルやニーズに合っているかどうかです。そのため、どんな顧客にどんなシーンで自社ブランドが選ばれたのか?何がマッチしたのか?逆に、どんな顧客が別ブランドを選んだのか?自社ブランドの何が当てはまらなかったのか?など、リピート・離反顧客それぞれの理解を深めていくと良いでしょう。購買データで読み解くブランドスイッチ特性!マーケティングへの活用方法は?ここまで、ブランドスイッチの基礎をご紹介しましたが、どのようにマーケティング戦略に活かせば良いのでしょうか。当社が収集する10億枚のレシートデータをもとに、ブランドスイッチにおける商品カテゴリごとの特性や、マーケティング戦略に活用する際の押さえておくべきポイントを解説します。以下の図は「ダブルジョパディの法則」をもとに、商品カテゴリごとの特性をまとめたものです。この図によると、例えばお菓子は購入頻度が高く購入単価が安いため、すぐに他社ブランドへスイッチングしやすいことが読み取れます。逆に、お米については購入頻度が低く購入単価も高いため、ブランドスイッチは頻繁には起こりにくいと言えます。ここで重要なのは、自社ブランドのスイッチング特性を理解し、より効果的なマーケティング戦略に活かすことです。その際に着目すべきポイントを簡単にまとめてみました。考慮すべきポイント具体的にはそもそもブランドスイッチが問題かどうかスイッチングコストが低いブランドなら、ブランドスイッチを防止するより顧客数や購入数を増やすマーケティングをした方が良いブランドスイッチのトリガー競合他社によるセール開催、クーポン配布、サンプリング、紹介、口コミ、PRなど、ブランドスイッチが起こったきっかけは何かブランドスイッチが起こった時期季節や年間イベントなどにとの関係性があるか。例えば、商戦期が夏のブランドが冬にブランドスイッチが起こりやすいなら、「ブランド=夏」といった認知を作る必要があるスイッチング先のブランドや商品カテゴリ同商品カテゴリの競合ブランドなのか、そもそも商品カテゴリ自体が変化したのか(例えば、ビール→ノンアルビール・クラフトビールへ移行)などブランドスイッチ前後の顧客行動の変化他社ブランド購入後の体験が購入前の期待を上回っているかどうか。下回っている場合、自社ブランドに戻ってくる可能性が高いが、上回っている場合は戦略を考え直す必要がある競合ブランドのマーケティング戦略競合ブランドは商戦期の何ヶ月前からスイッチング戦略を考え、施策を実行しているかブランドスイッチという現象を自社ブランドのマーケティング戦略に活かすためには、自社ブランドのスイッチング特性を理解し、さまざまな視点から分析を図って要因を特定することが重要です。10億枚のレシートデータを活かして、顧客に好かれるブランド作りを!当社が開発・運営する、お金がもらえるお買い物アプリ「ONE」は、月間100万人以上のユーザーから累計10億枚以上のレシートデータを収集しています。ONEのレシートデータは顧客個人に紐づいているため、自社ブランドを購入したことがない顧客だけにサンプリングを実施したり、競合他社のブランドを購入した顧客に絞ってキャンペーンを実施したりなど、効果的な施策が打てます。さらに、特定ブランドの特定商品を購入した顧客に絞って購買分析もできるため、ブランドスイッチの要因を特定したり、リピート顧客・非リピート顧客の比較をしたりなど、顧客を深く理解することも可能です。以下のようなマーケティング課題をお持ちの方は、ぜひお気軽に資料請求または専用フォームよりお問い合わせください。新規顧客に自社ブランドを知ってもらいたい・買ってもらいたいリピート顧客・非リピート顧客の購買行動特性を知りたい自社商品と競合商品の顧客属性やライフスタイルを比較したい