調査概要レシート買取アプリ「ONE」の「マストバイミッション」を通じて、参加ユーザーの購買行動を分析しています。本記事では、豆乳の要素も併せ持つ新しい野菜ジュースを対象としたマストバイミッションを取り上げました。当初は、「野菜ジュースが苦手な人でも飲みやすい商品」として、野菜ジュースをあまり飲まない層への訴求を想定していましたが、実際にはこの商品が、普段から野菜ジュースや豆乳をどう飲んでいる人たちに選ばれていたのかを確かめるために、レシートデータを深掘りしました。データソース: レシート買取アプリ「ONE」分析期間:アンケート: マストバイミッション実施時に取得過去購買: マストバイ開始前半年間N1分析: 2024/07/01~2025/06/30※本調査は、自主調査として実施しております。1. マストバイミッション参加者の特徴:誰がこの商品を選んだのか1-1. 過去購買傾向: もともと野菜ジュース・豆乳を買う層マストバイミッション参加前半年間のなんでもレシートデータを分析したところ、マストバイミッション参加者は、非参加アクティブユーザーと比較して、野菜ジュース・豆乳商品の過去購入率が高く、普段からこれらのカテゴリに関心がある層が多いことが分かりました。[図1: マストバイミッション参加者-非参加者間の野菜ジュース・豆乳商品購入率]1-2. 参加回数別の過去購買傾向:リピーターは"健康機能"を重視マストバイミッション参加者を参加回数別にセグメントを分けて、まずは、野菜ジュース側の購入傾向から見ていき、そのうえで豆乳側の特徴も確認しました。野菜ジュースについて:参加回数が1回のユーザーは、「カゴメ 野菜生活」の購入が複数回参加者より多く見られました。一方、参加回数が多いほど、「伊藤園 ビタミン野菜」「伊藤園 1日分の野菜(栄養強化型)」などの特定の栄養機能食品、機能性表示食品のレシート出現率が高くなっていました(図2赤線部)。特に参加回数5回以上のユーザーは、他セグメントと比較してこれらの商品の購入頻度が高く、健康や栄養摂取を重視して野菜ジュースを選択している傾向が見られました。豆乳について:いずれの商品も複数回参加者の方が出現率が高い傾向でした。2〜4回参加者では「キッコーマン おいしい無調整豆乳」、5回以上参加者では「キッコーマン 豆乳飲料」が比較的レシート出現率が高く、複数回参加者は普段から特定の豆乳ブランドを継続的に購入していることが分かります(図2青線部)。この既存ブランドへの信頼が、今回のマストバイミッション対象商品を試すきっかけとなり、その満足度がリピート参加につながった可能性が示唆されます。[図2: マストバイミッション参加回数別 野菜ジュース・豆乳商品のレシート出現率]※リフト値: 参加者全体に対する当該セグメントの各商品のレシート出現率の相対比2. 購入動機:なぜ、この商品を選んだのか2-1. マストバイミッション参加回数別 商品購入動機マストバイミッション参加者にレシート買取後アンケートを実施し、購入動機を調査しました。複数回参加者の回答の特徴:「健康によさそうだから」という回答が、1回参加・複数回参加の両方で最も多い結果にその割合は、複数回参加者の方が1.16倍高いことが分かりました。一方、「豆乳が好き」「野菜ジュースが好き」といった嗜好性の回答は次に多かったものの、割合としては1回参加者の方が高い傾向が見られました。この結果から、「好きだから飲んでみた」という理由は、初回購入のきっかけとして大きいそこから複数回の購入につながる段階では、「健康によさそう」という機能面への期待がより強く働いているという構図が見えてきます。[表1: マストバイミッション参加時の商品購入動機のアンケート結果(自由記述式の回答をカテゴリ別に集計)]2-2. 購買データ+アンケート結果から見えてきた”リピート購入者像”購買データとアンケート結果を総合すると、特に複数回購入者には次のような特徴が見られました。普段から野菜ジュースや豆乳を購入している層栄養機能食品・機能性表示食品の野菜ジュースといった機能性を意識した商品を選ぶ傾向購入動機として、「豆乳/野菜ジュースが好き」という嗜好性に加え、「健康によさそうだから」という機能性への期待が、リピート購入の主なドライバーになっている豆乳カテゴリでは、無調整豆乳や豆乳飲料などキッコーマンブランドの商品を継続的に購入しているユーザーが多く、日頃からのブランド信頼が今回の商品のトライアル・リピートを後押しした可能性がある3. 複数回参加者の生活文脈:データから浮かび上がってきた「ある50代男性」3-1. 属性・カテゴリから見える生活像マストバイミッションの参加回数が1回のみのユーザーと複数回のユーザーを、属性と購買カテゴリで比較しました。属性比較:1回参加者:30代前後の女性(専業主婦・パート層)が多い複数回参加者:50代前後の男性(会社員層)の比率が相対的に高い[表2: 1回参加ユーザーと複数回参加ユーザー間の属性比較結果(特徴的な属性を抜粋)]購買カテゴリ比較:複数回参加者が1回参加者と比較して、購入比率の高いカテゴリと低いカテゴリを確認しました。[図3: カテゴリ別レシート出現率相対比(複数回参加者/1回参加者)]複数回参加者は1回参加者と比較して、時短・簡便性商品(カット野菜1.36倍、サラダ1.20倍、惣菜1.07倍)、健康系飲料(野菜ジュース1.19倍、トマトジュース1.25倍)、蒸留酒(焼酎1.61倍、ウイスキー1.55倍)、嗜好品(レギュラーコーヒー1.31倍、たばこ1.28倍)の購入比率が高い一方、基礎調味料(砂糖0.71倍、食塩0.70倍)は低い傾向が見られました。→ 自炊用の基礎素材よりも、「すぐ食べられる」「すぐ飲める」商品を選びがちで、嗜好品も楽しみつつ、できる範囲で健康に配慮している生活者像が浮かび上がります。3-2. N1分析:あるリピート購入者の1年分のレシートこうした傾向を、1人のユーザーの購買履歴から具体的に見てみてみました。属性:都内在住、50代男性、既婚、3人暮らし(子ども1名)、会社員購買パターンの特徴:[表3: 購入時間・購入曜日ごとのレシート分布(2024/07/01 ~ 2025/06/30)][表4: 普段の購入商品 購入回数上位商品][表5: セブン-イレブン, マルエツでの購入特徴]朝5〜6時:セブン-イレブンでタバコと朝ごはんを買って出勤夜19〜20時:マルエツでビールと惣菜を買って帰宅マストバイミッション開始前は、野菜ジュース・豆乳の購入は多くなく、代わりに野菜入りサンドイッチ、海藻入りサラダ、サラダチキン、ヨーグルトなど、コンビニで完結する「それなりに健康を意識した」食品を選んでいました。マストバイミッション期間中は、いつものおにぎりに加えて対象商品を購入するパターンが見られました。野菜と豆乳を一度に摂れる利便性と「健康によさそう」という実感が、忙しい日常の中で継続的な購入につながったと考えられます。[表6: マストバイミッション対象商品との併買商品例]購買データから想定されるストーリー:こうした生活の中で、朝食や軽食と一緒に手に取りやすく野菜と豆乳の要素を一度に摂れて「健康によさそう」と感じられる本商品は、“忙しい中でできる範囲の健康配慮” を支える選択肢として機能していた可能性が高いと考えられます。※購入動機はあくまでデータからの考察であり、個人により異なる点にご留意ください。4. まとめ4-1. 想定していたターゲットと、実際の購入者当初の想定(仮説)豆乳のまろやかさを生かした「飲みやすさ」を強みとする、「野菜ジュースをあまり飲まない層」にも手に取ってもらいやすい商品実際にデータから見えた姿普段から野菜ジュースや豆乳を購入している、健康志向の高い層が中心特に、忙しく働く50代前後の男性に複数回購入が多い「豆乳/野菜ジュースが好き」という嗜好性に加え、 「健康によさそうだから」という機能性への期待が、リピートの主な理由豆乳カテゴリではキッコーマンブランドを継続的に購入しているユーザーが多く、 既存ブランドへの信頼がトライアル・リピートを後押ししている可能性→ 当初は「野菜ジュースをあまり飲まない層に飲みやすさで届く商品」というイメージを持っていましたが、実際の購入者は、普段野菜ジュースを飲んでおり、忙しい中で、飲料で手軽に栄養を補おうとしているユーザーが中心であることが分かりました。4-2. 今後のプロモーション案:訴求文言の改善今回の結果を踏まえると、今後のプロモーションでは次のような方向性が考えられます。「飲みやすさ」でハードルを下げつつ、忙しい毎日の中で“できる範囲で健康に配慮したい”というニーズに応える一杯として打ち出すことで、これまで野菜ジュースになじみがなかった働く層にも、アプローチしやすくなると考えられます。4.3 レシート買取アプリ「ONE」のデータで実現できること今回のように通常のマストバイミッションに加えて、購買データとアンケートを組み合わせた分析により、単なる販促だけでなく、キャンペーン参加者の普段の購買行動の実態把握から、「なぜこの商品を購入したのか」、「どのような生活文脈で購入しているのか」などの仮説立て、今後のターゲット設定や訴求の方向性への示唆出しのご支援が可能です。今回のような分析にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。