ワンランク上の蒟蒻畑で、新カテゴリ参入&新規顧客獲得を狙う—— 新商品「蒟蒻畑 For Gourmet」を開発されたのはなぜですが?畑さん)きっかけは、「ちょっと良い『蒟蒻畑』を作りたい」と考え始めたことです。背景として、資材高騰の影響によって市場全体で高価格帯の商品が増えており、当社としても従来の蒟蒻畑に付加価値を設けることで、プレミアム感の商品を開発したいと考えていました。そこで、30代前後の女性層をメインターゲットとした新商品の開発を進めることになったんです。鴨井さん)付加価値の高い新商品を生み出すことで、既存の蒟蒻畑シリーズではアプローチできなかった顧客層にまでシェアを広げ、蒟蒻ゼリー市場における競争力を高める狙いもありました。加えて、チルドスイーツなどの蒟蒻ゼリー以外のカテゴリ購入者にも、顧客を広めていきたくて。そこで、従来のフルーツフレーバーとは異なる、かつ発売時期に合わせて冬でも楽しめる「濃厚プリン味」と「贅沢いちごミルク味」を展開することで、新規顧客獲得を図りました。For Gourmetブランドページ | 株式会社マンナンライフ—— 当初のマーケティング戦略や施策を教えてください。畑さん)まずは認知獲得を最優先に考え、TVCMやWebCMを中心としたプロモーション施策を行いました。CMタレントには、ターゲット層と親和性の高いモデルやお笑いコンビを起用し、何度でも観たくなるようなオシャレでハッピーな世界観を表現することで、幅広い層に対してブランド認知を広げていきました。鴨井さん)CM以外にもイオンモールの売り場や、ターゲットユーザーとの親和性が高く話題性のあるオフラインイベントでサンプリングを行い、商品の魅力を広めていきました。 —— 発売後に見えてきた課題はありますか?畑さん)蒟蒻畑 For Gourmetの購入者から、「食感が新しい」「プリンなのにゼリーで不思議な感覚」「低カロリー・低糖質で食べやすい」「乳成分不使用なので、アレルギーを気にせず食べられる」など多くの嬉しい声を頂くことができました。一方で、従来の蒟蒻畑と売り場が同じで差別化が難しく、顧客属性とカニバリゼーションが発生しており、新規顧客獲得という観点ではまだまだ課題がありました。鴨井さん)単純なフレーバーの追加では、ブランド全体としての新規顧客は得にくいため、いかにプリンやスイーツなどの他カテゴリからの流入・スイッチをさせていくのかというのも課題の1つでしたが、手持ちのデータではそこまでの検証はできていませんでした。2度のONEマストバイキャンペーンで、約40%のリピート顧客獲得—— 今回ONEを利用された背景を教えてください。畑さん)以前に、当社が製造販売する別ブランド「ララクラッシュ」で、ONE使っていたことがきっかけです。当時は、競合顧客のブランドスイッチを目的に「競合他社の蒟蒻ゼリー購入者」かつ「直近3ヶ月で自社ブランドの非購入者」を対象とした、ONEマストバイキャンペーンを行いました。結果として、目標販売件数を当初は1ヶ月間で想定していたところ、たった8日間で達成することができ、その時からONEに魅力を感じていました。ララクラッシュでの成功体験があったので、別ブランドでも試してみたいと思ったんです。—— ONEに対して特に魅力を感じた点はどこですか?畑さん)ターゲットユーザーの多さです。ONE以外にも、他社のお買い物アプリやクーポンアプリを比較検討していましたが、ONEは他サービスに比べてアクティブユーザー数が多く、ユーザーの年代も幅広かったので、より広く新規顧客にアプローチできるのではないかと考えました。鴨井さん)キャンペーンの対象ユーザーを精度高くターゲティングできたり、施策後に店舗やチェーンを横断して、顧客個人単位で購買分析できたりする点も、ONEならではの魅力だと思いました。——ONEの施策内容と成果について教えてください。畑さん)蒟蒻畑 For Gourmetの認知獲得と販売促進を目的に、2023年9月の発売直後からONEの全ユーザーを対象としたONEマストバイキャンペーンを実施しました。キャンペーン内容は、ユーザー1人につき1回参加でき、「濃厚プリン味」「贅沢いちごミルク味」それぞれで、販売価格の半額分をONEで買取るというものです。期間中は、ONEアプリ内で「PUSH通知」や「ダイアログ」、「note発信」「カウントダウンサムネイル」などのアプリ内認知施策も組み合わせながら、認知獲得と販売促進を行っていきました。畑さん)結果的に、ONEマストバイキャンペーンを通して10,000人以上の新規顧客を生み出すことができました。より多くの方に蒟蒻畑 For Gourmetを広め、試してもらいたいと考えていたので、期待以上の成果が出て良かったです。鴨井さん)キャンペーン終了後の分析では、フレーバー毎に顧客属性や購入店舗・チェーン、購入時期などを比較したり、リピート率やリピート顧客の属性をモニタリングしたりなど、購入後の顧客行動を可視化することで、顧客理解を深めることができました。キャンペーン参加者のうち、参加後に購入した蒟蒻ゼリーブランドを分析したところ、最も多かったのは「蒟蒻畑 For Gourmet」となり、以前にONEマストバイキャンペーンを実施した「ララクラッシュ」もランクインしていました。自社ブランド全体のエンゲージメントの高さを知れたのは、大変嬉しかったです。—— その後、2回目のONEマストバイキャンペーンを実施しましたが、新しい発見はありましたか?畑さん)1回目で成果を実感できたため、蒟蒻畑 For Gourmet発売の約6ヶ月後に「芳潤シャインマスカット味」が新登場したタイミングで、改めてONEマストバイキャンペーンを実施しました。結果として、2回目のキャンペーン参加者のうち43%が、1回目の参加者であることが判明。さらに、1回目のキャンペーン参加者のうち37%が、2回目のキャンペーン開始までの間に蒟蒻畑 For Gourmetをリピート購入していることが分かりました。期間を空けて2度のONEマストバイキャンペーンを実施したことで、顧客の定着率が可視化できたのは大きな発見でしたし、施策効果が実感できた瞬間でしたね。鴨井さん)キャンペーン後、蒟蒻ゼリーに加えてベンチマークカテゴリであるプリンやゼリーを含めて、キャンペーン実施前後のシェア率を商品単位で比較しました。その結果、蒟蒻畑 For Gourmetのシェア率がキャンペーン前よりも約8ポイント向上しており、蒟蒻ゼリー以外のカテゴリから一定数のシェアを得ることができました。鴨井さん)一方で、ONEマストバイキャンペーンを実施したことで、リピート顧客は50代女性が多く、メインターゲットである30代前後の若年層に対しては、まだまだアプローチが足りていないという課題も浮き彫りになりました。蒟蒻畑 For Gourmet発売から1年。現在の課題と今後の展望—— 蒟蒻畑 For Gourmetの発売から1年が経過し、現在の課題や今後の方針を教えてください。畑さん)ONEを含めてさまざまな施策を1年間実施してきた中で、「認知拡大」と「配荷先の拡大」が今後の課題だと考えています。特に配荷に関しては、すでにONEマストバイキャンペーンで得られた分析結果を流通さま向けの営業資料に活用しており、今後さらに店舗数や棚割りシェアを拡大していきたいです。鴨井さん)当社としても新たな取り組みのため、まだまだ模索フェーズではありますが、今後も新たな販売戦略やマーケティング施策を試しながら、顧客の反応や売れ行きをモニタリングしていこうと考えています。—— 最後に、ONEのお勧めポイントを教えていただけると幸いです。畑さん)新商品を発売するタイミングで、認知形成や販売促進をコストパフォーマンス高く実施したい企業とは、相性が良いと思います。配荷は一定数できているのに、競合ブランドとの差別化や認知獲得に課題感がある商品であれば、ぜひONEをお勧めしたいですね。鴨井さん)当社のように複数のブランドを展開する企業にとっても、ONEは魅力的なサービスだと思います。アプリ1つで認知獲得から施策の効果検証、その後も顧客モニタリングができることや、複数のブランドを横断して新規顧客獲得や顧客のロイヤル化を狙えるので、かなり効率的だと思います。